栄養について知ろう
ビタミンで風邪に打ち勝つ身体に!
感染症の原因となる細菌やウイルスは目に見えないため、いつどこで感染するかわかりません。
では感染症にかかりにくい体をつくるには、何が大切なのでしょうか。
おすすめは毎日の食事でビタミンを多く摂取すること。
さまざまな種類がありますが、とくにビタミンA・D・C・E・Bは免疫機能をサポートしてくれます。
ビタミンと免疫力の関係
ビタミンが不足すると、異物に適切に対応する免疫機能が損なわれ、健康の維持が難しくなります。
ウイルスに負けない体づくりのためにも、しっかりと栄養を補給しましょう。
ビタミンA
ビタミンAは皮膚やのど、鼻を覆う粘膜の機能を正常に保つ栄養素です。
感染症は通常、粘膜から細菌やウイルスが体内に侵入することで起こりますが、ビタミンAは、その異物が体内に入らないようにします。
またビタミンAは夜盲症(暗いところで目が見えにくくなる病気)の予防にもなると言われています。
ビタミンD
近年、免疫機能への影響が知られるようになったのがビタミンD。新型コロナウイルスの重症化にビタミンD不足が関係していることが報告されています。
またビタミンDは、カルシウムやリンの吸収を促進し、骨や歯への沈着を助ける働きもあります。
ビタミンC
ビタミンCは白血球(免疫システム)がウイルスを排除するのをサポートする役割があります。
そのほかに肌のコラーゲンを合成し、肌にダメージを与える活性酸素を抑制する働きも。これによって日焼けを防ぎ、肌の健康を維持することができます。
ビタミンE
ビタミンEには、細胞や組織を酸化(体内の細胞が酸素にさらされることで劣化すること)から守る抗酸化作用があります。
私たちは体内でエネルギーを生産するために酸素を必要としますが、酸素は細胞を傷つけ、老化やがんの原因にもなるといわれています。
ビタミンB1・B6
ビタミンB1は免疫細胞を活性化させることで知られています。
仮にビタミンB1が不足すると、パイエル板(空腸、回腸に点在する免疫器官の一つ)の働きが低下してしまいます。
ビタミンB6は体内で免疫細胞や筋肉細胞を合成する栄養素です。不足すると体内でこれらの細胞を正常に合成できず、免疫力の低下を招きます。
亜鉛も免疫に関与している
亜鉛は体内で合成できない「必須微量ミネラル」のひとつです。
免疫反応に重要な栄養素として注目され、2014年に発表された理化学研究所の研究では、亜鉛と免疫の関係が明らかにされました。
また亜鉛は味覚に関わる細胞の生成にも関与しており、不足すると味覚に影響するともいわれています。
ビタミンを効率的に摂取するコツ
ビタミンを効率よく摂取するには、ちょっとしたコツを知りましょう。
とくにビタミンは他のビタミン群と連携するので、すべてのビタミンを均等に、かつ定期的に摂取することが欠かせません。
多くの食材からバランスよく摂取する
とくに野菜やお肉には多くのビタミンが含まれています。
栄養素 |
食材 |
ビタミンA |
鶏レバー、豚レバー、卵黄、ウナギ、人参 ほうれん草、かぼちゃ、春菊など |
ビタミンD |
サケ、サンマ、カレイ、マグロ 鶏卵、キクラゲ、きのこ類など |
ビタミンC |
アセロラ、パプリカ、ブロッコリー、柿、キウイ モロヘイヤ、カリフラワー、小松菜など |
ビタミンE |
アーモンド、納豆、豆苗、ほうれん草 モロヘイヤ、かぼちゃ、アボカド、さつまいもなど |
ビタミンB群 |
豚肉、ハム、ウナギ、マグロ、カツオ 大豆、玄米、モロヘイヤ、枝豆など |
食品からビタミンを摂取するためには、さまざまなメニューを取り入れることがポイントです。
厚生労働省では野菜は1日に350g以上、1日5皿分を食べることを推奨しています。そのほかにも主食、副菜、主菜がそろった食事を心がけましょう。
ビタミンCはできるだけこまめに摂取する
ビタミンCは水溶性です。一度に大量に摂取しても一定量しか吸収されず、残りは体外に排出されます。
また体内で生成することができないため、必要な量を毎日こまめに分けて摂取するとよいでしょう。
ストレスや喫煙、紫外線など、生活のさまざまな場面で消費されるビタミンCは、1日の摂取量(成人の1日のビタミンCの推奨摂取量は100mg)を確保することが不可欠です。
栄養素を適切に摂取してウイルスに打ち勝とう!
健康でいるためには野菜だけでなく、米や肉、魚などさまざまな食品を組み合わせて食べることが大切です。
とはいえ、毎日の食事ですべての栄養素をカバーするのはむずかしいもの。「栄養が足りないな」と思ったら、サプリメントで補うのも一つの方法です。
しっかりと栄養をとってウイルスに打ち勝つ体を作りましょう。