栄養について知ろう

マイルドドラッグ?お菓子には中毒性がある!?

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マイルドドラッグとは、砂糖や塩、脂質、うま味調味料などを過剰に摂取することで麻薬のような中毒を引き起こすものを指します。

そんなマイルドドラッグの代表格が砂糖です。

私たちが日々何気なく、または衝動的に食べてしまっているものには多くの砂糖が含まれています。

例えば、コンビニやスーパーでつい買ってしまうスナック菓子類や和菓子、ケーキなどの洋菓子、そしてジュースなどの飲料などです。

世界保健機関(通称WHO)では、砂糖の摂取量に関して指針を設けています。[1]

具体的には、大人1日当たりの糖類の摂取量を1日のエネルギー摂取量の5%未満に抑えることです。[1]

これをグラムで表すと1日約20〜25g程度になり、角砂糖で考えると5個分程度になります。

[1]健康的な食事 | 公益社団法人 日本WHO協会

血糖値は一定に保たれている

血糖値を測る機械の画像

血糖値とは、血液中に含まれる糖分の濃度のことです。

食後など、食べ物に含まれる糖質が消化吸収されることにより一時的に血糖値が上昇します。

食後上昇した血糖値を下げるために、膵臓からホルモン(インスリン)が分泌されます。

インスリンが上昇した血糖値を下げることにより、私たちの身体の血糖値は常に一定に保たれているのです。

砂糖の過剰摂取による体内の変化や症状

砂糖を過剰摂取するとどうなるか、順を追ってみていきましょう。

まず大量に糖分を摂取すると、血糖値が急激に上昇します。

次に上昇した血糖値を下げようとインスリンが分泌され、血糖値が下げられます。

このインスリンが分泌されたときに一時的に起こるのが「低血糖」です。

低血糖状態が続くと身体が危険であると察知し、再び血糖値を上げるためにアドレナリン(ホルモン)が放出されます。

このホルモンは、交感神経が興奮するときに発生する神経伝達物質です。

最終的にホルモンが大量に放出されると、次のような症状が起こります。

・筋肉のこわばり

・頭痛

・イライラ

・不安感

・思考力の減退

・集中力の低下

・短期でキレやすくなる

最近問題になっている「キレやすい子ども」の原因の一つに、 マイルドドラッグの代表格である砂糖が挙げられるのです。

砂糖によって失われる栄養

砂糖の過剰摂取によりイライラや不安感などの症状が出ますが、これ以外に起こる弊害があります。

それが、砂糖の摂取による栄養の欠乏です。

ビタミンB1の欠乏

ビタミンB1は炭水化物などの糖質をエネルギーに変換する働きがあります。

そのため、大量に糖質を摂取するとその分体内のビタミンB1が消費されます。

結果的に糖類の大量摂取によりビタミンB1が大量に消費されると、糖質をエネルギーに変換するビタミンB1が不足し、エネルギー不足に繋がってしまいます。

カルシウムの欠乏

砂糖の摂取により失われるもう一つの栄養は、カルシウムです。

身体の血液は弱アルカリ性であり、砂糖を摂取すると血液は酸性へ傾いてしまいます。

そんな身体を弱アルカリ性に戻す為に必要なのがカルシウムです。

しかし砂糖を過剰摂取してしまうとカルシウムが大量に使われてしまい、カルシウム不足につながります。

お菓子は体内のビタミンを消費する代表格

お菓子には糖質以外に脂質も含まれています。

糖質や脂質を体内で処理するためには、大量のビタミン・ミネラルを消費しなければなりません。

また脂質の代謝に使われるのがビタミンB2です。

この栄養素は成長発育、皮膚、角膜などの各組織の機能維持に重要な役割を果たします。

不足すると脂質の代謝がうまく行えないので、燃焼しきれなかった脂質は体脂肪となって蓄えられます。

ほかにもビタミンB2は細胞の成長促進にも関与。

そのため不足すると、エネルギー代謝に問題を起こし、成長障害を引き起こすことがあります。

そのうえ尿と一緒に排出されやすいため、意識してこまめに補給することが大切です。

子どものためにできること

子供たちが大好きなお菓子を摂取し過ぎてしまうと身体が正常な状態を保とうとして、さまざまな問題が起こってしまいます。

日々を元気に過ごしていくために、子供たちがマイルドドラッグ中毒に陥っていないか確認する必要があります。

例えば、お菓子の1日の摂取量を決める・お菓子を見える場所へ置かないなどの具体策が必要です。

子供たちは自分でコントロールすることが難しいため、近くにいる大人たちの手助けが大切でしょう。