KNOWLEDGE栄養に関する知識
お子様の最適な成長について
睡眠の質を高める食材と、睡眠の質を低下させる食事習慣
寝る子は育つ。と昔からのことわざがある通り「睡眠は大切である」ことが知られています。良く寝た次の日は頭が冴えわたりスッキリとして過ごせますよね。それでは子どもの成長と睡眠はどのような関係があるのでしょうか?今回は、子どもの成長と睡眠の関係・睡眠の質を高める食材・低下させる食材を説明します。
睡眠は子どもの成長にどのように影響するの?
これまで睡眠時間の短い子どもは記憶能力が低いことが指摘されてきました。「健常小児における海馬体積と睡眠時間との相関」という研究報告では、睡眠時間が長い子どもは、記憶や感情をつかさどる海馬という脳の部位の体積が大きいことがわかりました。記憶を担当する脳の部位が大きいということは記憶力が良いということに繋がります。つまり色々なことを覚えて記憶に残すためには良く寝る必要があるのです。記憶力は学習面に影響が及びます。勉強をしているのに中々覚えられない。すぐに忘れてしまう。このような悩みがある場合は、もしかしたら睡眠時間が足りないのかも知れません。
睡眠の質を高める食材
睡眠の質を高める食材は以下の通りになります。
1.乳製品(牛乳・バター・チーズ)
乳製品にはトリプトファンと呼ばれる栄養素が含まれています。トリプトファンは必須アミノ酸という体内で作ることができない栄養素になります。ヒトの睡眠リズムを作ってくれる「メラトニン」と呼ばれるホルモンのもととなる大切な栄養素になります。朝日を浴びると目が覚めて、夜になると眠くなるというリズムはメラトニンのおかげなのです。
トリプトファンは、乳製品の他にも青魚や大豆、バナナにも含まれています。
2.発酵食品(納豆、キムチ、ヨーグルト)
発酵食品にはGABAと呼ばれる栄養素が含まれています。GABAは体内で合成することのできる非必須アミノ酸です。GABAは、脳の興奮を抑えてリラックスを促したり、ストレスを軽減させたりします。脳の興奮は睡眠の質を低下させる要因となるため、GABAを摂取することで寝つきが良くなり質の高い睡眠をすることができます。
GABAは、発酵食品の他にもトマトやナス、メロンやカカオに含まれています。
3.お肉(牛・豚・鶏)
お肉にはグリシンと呼ばれる栄養素が含まれています。グリシンは、身体の内臓の温度である深部体温を下げる働きがあります。これは血管を拡張させ手足から熱を放出することで体内の熱を下げることができるからです。寝つきを良くするためには深部体温を下げることが必要といわれており、グリシンを摂取することで睡眠の質が高まります。
グリシンは、お肉の他にもニンニクやほうれん草、えだまめ、魚介類に含まれています。
睡眠の質を下げる食材
睡眠の質を下げてしまう食材は以下の通りになります。
1.コーラやエナジードリンク
コーラやエナジードリンクにはカフェインが含まれています。夜寝る3〜4時間前にカフェインを摂取すると、睡眠の質が低下すると言われています。
「カフェインといえばコーヒーでしょ?子どもにコーヒーは飲ませていません。」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかしカフェインはコーヒー以外の飲料に含まれています。例えば、子どもが大好きな飲み物ですと「コーラ」に含まれています。中高生になるとエナジードリンクが好きで飲むお子さんもいらっしゃいます。私たち親が気がつかない間にカフェインを摂取している可能性もあるため注意が必要です。